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作り手たちの疾走ドキュメント

セオリーへの挑戦。新たなる舵切り。

高橋

TAKEO KIKUCHIがランナー向けバッグという未知の挑戦に取り組み始めて4ヶ月目、2011年11月。試行錯誤の末に完成したバッグサンプルを囲んで開かれた意見交換会は、同プロジェクトにとって大きな転機となった。「まだ見ぬ新しいスタイル」への期待に溢れたランナーたちの意見は、商品開発責任者を努める磯野らを刺激し、新たな挑戦へ歩を進めるための強烈なモチベーションとなったのだ。

歩くのはまだ早い 僕らは“トーキョー”を疾走する
「躊躇や迷いを完全に取り払ってくれたのが、この言葉でした。今振り返ると、意見交換会の時に見せた初回サンプルはディティールこそブランドらしい要素が注がれていたものの、既に世にあるランナー向けバッグの域に収まってしまうモノだったように思います。枠を飛び越えることに対して、知らぬ間に躊躇していたのでしょう(磯野)」。

明日以降、プロジェクトはどのような一歩を踏み出すべきか…意見交換会が開催された日の晩、磯野とブランド長久保木は、悩み抜いた末にひとつの決断にたどり着く。

「世の中に無い新しさと、TAKEO KIKUCHIらしさ。その2軸を両立させるバッグの姿とは、いったいどんな姿なのか…そう自問していた時、意見交換会で出たある言葉が蘇ったんです。それは、“スーツにリュックは、あまり格好良く感じない”という何気ない言葉。コレだ!と思いました。そしてこう結論づけた。作るべきは、“スーツスタイルにフィットするリュック”なんだ、と。

リュックは、スーツスタイルにこだわってきたTAKEO KIKUCHIでは絶対に有り得なかった選択です。第一シワになるし、そもそもスーツにリュックは御法度だというセオリ

ーが根付いていましたから。でも、だからこそ挑戦したかった。スーツスタイルが得意なTAKEO KIKUCHIだからこそ、そのセオリーを覆せるような気がした。成功すれば、RUNを楽しむビジネスパーソンたちに全く新しいライフスタイルが提供できるはずだ…そんな確信が持てたんです(磯野)」。

リュックを作る…それは、初回サンプルからの大きな方向転換を意味していた。つまり、ほぼゼロからリスタートを切るということだ。磯野と久保木は翌日、そのことを伝えるために若手デザイナー高橋のもとへ向かった。

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妥協を許せなかった、最後の一歩

開発チーム

そのサンプルは、非常にいい出来上がりだった。

パソコンや資料、着替えやシューズなどを収納できる機能や耐久性を備えていながら、アウトドア的要素を一切感じないスタイリッシュな外観を持つそのバッグは、何の欠点も無いように思えた。しかし、久保木と磯野の表情は曇っていた。迷っていたのだ。

「機能もデザインも、かなりのレベルに達していました。正直、素晴らしい出来だったと思います。でも…あと一歩足りなかった。素材の微妙な質感や、縫い目の見え方といった細部において、完全に納得できるとは断言できなかったんです(磯野)」。

そのまま店頭に出したとしても、世の評価は大きく変わらないだろう…そう思えるほど、2人が気になっていたのは、非常に細かいディティールだった。それほど完成度は高かった。しかし、ブランドや自分自身の「殻」を必死で破りながら走り続けた半年間を振り返ると、こう自問せざるを得なかった。

最後の一歩。そこで妥協したという想いを残して、本当に良いのか?
お前は、それで胸を張れるのか?

とはいえ、状況は切迫していた。約束していた納期は2月末。東京マラソンが終わった頃にバッグが店頭に並ぶことを、店舗スタッフや消費者も知っていた。しかしそれに間に合わせるためには今すぐにでも最終決定をし、量産の手はずを整えなければならなかったのだ。


「久保木と、長い時間話し込みました。そもそも発売のタイミングは緻密に考え抜かれて決定されたもの。2人とも、納期を死守することの重要性は十分に分かっていました。しかし、どうしても妥協するわけにはいかなかった。我がままかもしれない。プロとしてどうなんだ、そういう意見もあるでしょう。しかし僕らは、納期を遅らせるという決断を下したんです(磯野)」。

断腸の思いだった。しかし、必ず期待を大幅に越える最高のバッグを作り上げることで、信頼を取り戻してみせよう。2人はそう、固く誓い合った。

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